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ネットワークアーキテクチャと標準化組織について調べた

ネットワークアーキテクチャとは、ネットワークにおいて必要な論理構造やプロトコルを体系的に定めたもの。代表的なアーキテクチャに、OSI参照モデルTCP/IPモデルがある。

 

OSI参照モデルTCP/IPモデルはどのようにして生まれたか

現在のインターネットのような「パケット通信ネットワーク」の研究が始まったのは1968年。その後、複数の組織が独自にネットワークの研究を進め、複数のネットワーク技術が市場に出回った。以下はその例である。

しかし、これらの技術を搭載したコンピューター製品は互いに互換性がなく、通信ができなかった。そのため、業界共通のネットワークの標準化が進められた。

1977年から1984年にかけて、国際標準化機構(ISO)と国際電気通信連合(ITU-T)がネットワーク技術の標準化を行った。そのとき策定されたのが、OSI(Open Systems Interconnection=開放型システム間相互接続)である。1977年にISOが定めたOSI参照モデルは、OSIのために定義された、プロトコルの階層モデルである。

しかし、OSIの標準化が進められている間に、1970年代初期から米国国防高等研究計画局(DARPA)で研究が進められていたTCP/IP(インターネットプロトコルスイート)が業界で広く使われるようになり、結局OSIプロトコルや仕様自体は普及しなかった。

実際、OSIの仕様は複雑すぎて、実装が困難だったと言われている。今では「プロトコルの階層モデル」という考え方が教育に適していることから、OSI参照モデルのみが電子科学の教科書などに引用されている。

 

標準化が進む前に開発されたネットワーク技術

Apple Talk: 1984年に、アップル社製のMacintoshで利用するために開発された通信プロトコル群。TCP/IPとは互換性がない。現在アップル社はApple Talkを廃止し、自社製品にBonjourを実装している。BonjourはZeroconfという技術を実装したもので、ZeroconfはDHCPDNSの設定をせずに、ネットワークを自動的に作成する技術である。BonjourTCP/IP上で実現でき、更にネットワーク負荷を小さくする。

 

NetBEUI: 1985年に、IBM社により開発されたプロトコルWindows系OSで利用された。TCP/IPが主流になるにつれて、だんだんと使われなくなり、Windows 7からNetBEUI自体が廃止された。

 

DECnet: 1975年に、DEC(Digital Equipment Corporation)がミニコンピューター同士の接続のために開発した通信プロトコル群。DECの主要OSであるVAX/VMS向けに構築された。当初は4階層で構成されていたが、1982年にOSI参照モデルに準拠し、7層のネットワークプロトコルとなった。現在はLinux向けのオープンソース版が開発されている。

 

IPX/SPX: 1980年代後半からノベル社のOS Netwareで主に使われていた通信プロトコル。主にLAN向けに設計されており、LAN上での性能はTCP/IPよりも優れている。TCP/IPデファクトスタンダードとなった理由は、WANやインターネットでの性能がTCP/IPの方が優れていた点、TCP/IPがグローバルな利用を意図して設計されたプロトコルであった点にあるとされる。1990年代に入ってもIPX/SPXはLANとして主流だったが、TCP/IPが主流になったことから、Windows Vistaではサポートされなくなった。

 

標準化組織

標準化組織は国際的な組織から、地域限定の組織まで複数存在する。

ISO(International Organization for Standardization): 国際標準化機構OSI参照モデルを策定。電気分野を除く工業分野の国際規格を策定するための非政府組織。

 

ITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector): 国際電気通信連合の部門のひとつ。データ伝送を含む通信関係の国際標準化を行う。主にWAN回線の仕様として参照される。

 

ISOC(Internet SOCiety): 1992年に設立された国際的非営利組織。目的は「全世界のあらゆる人々の利益のため、インターネットのオープンな関係・進歩・利用を保証する」こと。IETF(Internet Engineering Task Force)の上層団体に位置する。IETFは、インターネットで利用される技術の標準化を策定する組織。策定された標準仕様はRFC(Request for Comments)として発行する。

 

IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers): アメリカに本部を持つ電気工学・電子工学技術の学会。IEEE 802.11は広く普及している無線LAN関連企画。

 

ANSI(American National Standards Institute): 米国国家規格協会。アメリカの国内における工業分野の標準化組織。

 

OSI参照モデル 

コンピューターの持つべき通信機能を7つの階層に分けて定義している。体系的にまとめられたモデル、実用的ではない。

第7層アプリケーション層: アプリケーションの種類やサービスに関する規定。

第6層プレゼンテーション層: データの種類・表現形式や送信ビット数に関する規定。

第5層セッション層: アプリケーション間の通信モード・接続数に関する規定。

第4層トランスポート層: 通信エラー管理、アプリケーション識別に関する規定。ポート番号から一つのアプリケーションを特定する層。

第3層ネットワーク層: 通信経路や中継経路の選択、識別アドレスに関する規定。IPアドレスを元にLAN間の通信を実現する層。

第2層データリンク層: 通信路の確保や伝送制御手順、エラー訂正に関する規定。MACアドレスを元にLAN内での1:1の通信を実現する層。

第1層物理層: 物理的な回線や機器類、電気信号に関する規定。

 

TCP/IPモデル

インターネット標準プロトコルのモデル。4つの階層で構成され、複数の独立したプロトコルを組み合わせて通信を行う。各層の名称と対応プロトコルは以下の通り。

第4層アプリケーション層: HTTP, SMTP, POP, IMAP, FTP, TELNET, SSH, DNS, DHCP, NTP

第3層トランスポート層: TCP, UDP

第2層インターネット層: IP(ARP, ICMP: Internet Control Message Protocol)

第1層ネットワークインターフェース層: Ethernet, 無線LAN, PPP(Point-to-Point Protocol), PPPoE(PPP over Ethernet), VPN