ネットワーク機器とIPアドレス、ポート番号について調べた

ネットワークを構築するネットワーク機器

有線用機器

ルーター/L3スイッチ: IPアドレスを使って、データの配送先を制御する。インターネットなど、外部のネットワークと接続。

L2スイッチ(スイッチングハブ): MACアドレスを使って、データの配送先を制御する。パソコン同士、ネットワークプリンタなどの1対1での通信をLANで行う。端末が多い時はL2スイッチ同士を接続できる。これをカスケード接続と呼ぶ。

ハブ(リピータハブ): 宛先に関係なく、端末から届いたデータをLAN内全ての端末に配信する。データを受け取った端末は送られたデータが自分宛てでなければ、そのデータを破棄する。電気信号の増幅機能も持つ。現在はほとんど使われない。

リピータ: 電気信号を増幅し、全ての端末に流す。電気信号の衝突(コリジョン)が発生し、電気信号の波形が崩れ、通信フレームが破壊される現象が多発する。

ケーブル: 電気信号で通信データを伝達する。

有線用NIC(Network Interface Card): LANの接続口、別名がいろいろ。LANカード、LANボード、LANアダプタ、ネットワークカード…

 

無線用機器

アクセスポイント(Wireless LAN access point): 無線端末を相互に接続したり、他のネットワーク(有線LAN)に接続する。有線LANと無線LANを相互接続役割もあるため、無線ブリッジとも呼ばれる。無線LANルーターと呼ばれる製品は、ルーターとアクセスポイントの複合製品。

無線用NIC: 電波の送受信ができる。

 

MACアドレスIPアドレス

MACアドレス: NICごとに割り当てられた固有のID。OSI参照モデルの第2層データリンク層通信制御(送信先、宛先の指定)に使われる。48bitの数値を":"や"-"で区切って16進数で表記される。前半の24bitはベンダーIDまたはメーカー番号と呼ばれ、後半24bitは端末固有の番号となる。

IPアドレス: ネットワーク上の固有の端末を、ネットワークアドレスとホスト番号で識別するためのアドレス情報。OSI参照モデルの第3層ネットワーク層通信制御に使われる。32bitのデータを8bitずつ"."で区切り、10進数で表記する。ネットワーク部とホスト部に分かれており、サブネットマスクを2進数に直して、1が続く上位桁がネットワーク部となり、0が続く下位桁がホスト部となる。

インターネットを利用するにはIPアドレスサブネットマスクデフォルトゲートウェイDNSサーバーアドレスの設定が必要となる。手動で設定する方法と、DHCPを使って自動でIPアドレスを割り当てる方法がある。

 

IPアドレスはなぜクラス分けされているか

IPv4のアドレスは約43億個あり、その中の約5億個は特定の用途に用いることが決まっていて、グローバルアドレスとして使用できない。IPアドレスは利用者を想定して、次の5つのアドレスクラスに分かれている。()内には2進表記にしたときの先頭が何で始まるかが書かれている。

クラスA 0.0.0.0 - 127.255.255.255 ネットワークアドレス部は8ビット。RFC 791で規定。(0-で始まる)

クラスB 128.0.0.0 - 191.255.255.255 ネットワークアドレス部は16ビット。RFC 791で規定。(10-で始まる)

クラスC 192.0.0.0 - 223.255.255.255 ネットワークアドレス部は24ビット。RFC 791で規定。(110-で始まる)

クラスD 224.0.0.0 - 239.255.255.255 IPマルチキャスト専用。RFC 1112で規定。(1110-で始まる)

クラスE 240.0.0.0 - 255.255.255.255 将来の使用のために予約されている。RFC 1112で規定。(1111-で始まる)

クラスAはネットワーク部が短く、ホスト部が長いため、多くの端末を保有する大組織や多くの顧客を持つインターネットサービスプロバイダに割り当てるのに適している。クラスCはその逆。実際は、ほとんどのネットワークがクラスAでは大きすぎ、クラスCでは小さすぎたため、割り当ての要求がクラスBに集中した。そのため、現在ではアドレスクラスを使わず、ネットワーク部とホスト部の境界を8bit単位に固定しない可変長サブネットマスクやCIDR(Classless Inter-Domain Routing)の使用が一般化している。

 

IPアドレスの種類

グローバルIPアドレス:インターネット上で使えるアドレス。

プライベートIPアドレス:LAN内で使えるアドレス。予約されているアドレスは以下の通り。

  • 10.0.0.0 - 10.255.255.255 (Aクラスの最初の方)
  • 172.16.0.0 - 172.31.255.255 (Bクラスの最後の方)
  • 192.168.0.0 - 192.168.255.255 (Cクラスの最初の方)

ネットワークアドレス:ネットワーク全体を表すアドレス。ホスト部のビットが全て0。

ブロードキャストアドレス:LAN内の端末に電気信号を送るためのアドレス。ホスト部のビットが全て1。

ループバックアドレス:自分自身を表す仮想的なアドレス。ローカルホスト。127.0.0.1

 

ポート番号は3つのグループに分けられる

ポート番号とは、コンピューターがデータ通信を行う際に、通信先コンピューターのプログラム(アプリケーション)を特定するための番号である。指定できる番号の範囲は各プロトコルごとに0から65535(16ビット符号なし整数)と決められている。

ポート番号は大別して3種類に分けられる。

  • Well-known port 0-1023番
  • Registered port 1024-49151番
  • Dynamic/Private port 49152-65535番

Well-known portはIANA(Internet Assigned Numbers Authority)が割り当てを行っており、主にFTP(20,21),SSH(22),TELNET(23),SMTP(25),HTTP(80)などシステムレベルで重要なプロトコルで使われている。Registered portはソフトウェアベンダーが独自アプリケーション用に申請し、IANAが管理するポート。Dynamic/Private portはユーザーがローカルで自由に利用できるポート番号である。