BitcoinのBlockとTransactionのデータ構造について
BitcoinはP2P通信技術を利用している。Bitcoinネットワークに参加する各ノードはクライアントとしてもサーバーとしても動作し、データの生成と送受信を行う。各ノードが持つデータはほとんど同じである。(常にノード間でブロックとトランザクションをやり取りしているのでいつも全く同じデータではない)
新しいノードがBitcoinネットワークに参加する流れ
- Bitcoinのソフトウェアをインストールし、デーモンを起動する。
- Seedsから他のノードのIPアドレスを聞き出す。
- 他のノードに過去の取引データ(ブロックチェーン)を送ってもらう。送られたデータは主記憶装置に保存される。
https://github.com/bitcoin/bitcoin リポジトリは、CLI(コマンドラインインターフェース)を持っている。ソースをクローンし、デーモンを起動する。初めてネットワークに参加するノードは、他のノードのIPアドレスを知らない。そのため、Seedsというノードを利用する。Seedsと呼ばれるノードは常に稼働していることが期待されている。ネットワークに新しく参加したノードは、まずSeedsに他のノードのIPアドレスを聞く。Seedsのリストはbitcoin/src/chainparamsseeds.hに記載されている。
手に入れたIPアドレスを元に、他のノードに過去の取引データを送信してもらう。送られた取引履歴は主記憶装置に保存する。保存先は${HOME}/.bitcoin/以下である。取引履歴には、ブロックチェーン、トランザクションリスト、UTXOなどがある。2017年2月の時点で保存されるデータ量はMain Networkは100GB、Test Networkは40GB程度である。
ノード間でブロードキャストされるブロックとトランザクションのデータ構造
前述したように、各ノードが生成したトランザクションやブロックは他のノードにブロードキャストされ、常にデータの同期が行われている。では、トランザクションとブロックは実際どのようなデータ構造をしているのだろうか。
ブロックのデータ構造
ブロックは複数のトランザクションを含む。
先頭にネットワークを識別するマジックナンバーを持ち、ブロックのサイズ(1MByte以下でなければならない)、直前のブロックのhashなどを持つブロックヘッダー、内包するトランザクションの数と、最後にトランザクションデータを持つ。
ブロックヘッダーのデータ構造
ブロックヘッダーは6つの要素を持つ。
ブロックのバージョン、直前のブロックのヘッダーのHash(256bit)、ブロックが含むトランザクションのRoot Hash(256bit)、時間(秒)、ターゲット、Nonce(32bit)である。
( Block hashing algorithm - Bitcoin Wiki )
トランザクションのデータ構造
トランザクションは取引内容を表すデータを持つ。Bitcoinは実体がないため、どれだけの量のBitcoinがどのアドレスからどのアドレスに移動したか、という内容である。
支払い者がどのアドレスからいくらのBitcoinを受け取ったかをInputと呼ぶ。そして、どのアドレスにいくら支払うかをOutputと呼ぶ。
データ構造は下記のとおりである。先頭にバージョン番号、取引に使うInputsの数、Inputsのリスト、 取引に使うOutputsの数、Outputsのリスト、最後にlock timeを持つ。
lock timeには、取引がブロックに含まれる条件を指定することができる。詳細は
前回の記事で述べた。